クラウドはよくわからないけど、グリッドはわかるようになった件(JIS X7301について)

SWoPP Announceに小柳先生が投稿されたのだけど、JISでグリッドが定義されたっぽい。

http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
を開いて、JIS規格番号で JIS X7301 を入力してください。

この中で、グリッドという用語の説明が書いてある。

グリッドシステム (grid system)
コンピュータ、ストレージおよびネットワークといった資源の物理的位置やハードウェアを意識することなく、必要な資源を必要なときに必要なだけ利用可能なシステムであり、異機種および/または地理的に分散した、複数のコンピュータ資源を仮想化技術を用いて統合したシステム
注記: 提供物がグリッドシステムと一致する場合もあればグリッドシステムの一部に該当する場合もある。すなわち、複数の提供者が提供する複数の提供物が組み合わされてひとつのグリッドシステムが構成されている場合がある。

これを読んだ素直な感想といえば、「これって世の中で言ってるクラウドじゃね?」ってところか。ちなみに、従来僕がグリッドという言葉で解釈していたのはおおまかに以下のような感じ。

コンピュータ、ストレージおよびネットワークといった資源を、必要な資源を必要なときに必要なだけ利用可能なシステムであり、異機種および/または地理的に分散した、複数のコンピュータ資源を統合したシステム

資源の位置やハードウェアを意識しないのは物にもよるけど性能出すのは無理なので、如何に活用しようか、というのがグリッドの主題だと思っていた。あと、仮想化がどのレベルの話かは微妙だけれど、グリッドというときにはその言葉はあまり意識していなかった。てか、このレベルの定義だと広すぎてオンラインストレージとか該当するんじゃなかろうか。なるべく漏れなく、ということなんだろうけど。あと全体的にクラウドって言葉は排除されている。まあ当然か。

まあ、わかったことは、これから「グリッド」という言葉はBuzz Wordじゃなくなるので気をつけて使いましょう、というくらいかな。個人的には世の中のクラウドサービスの半分以上はこの言葉の定義に含まれると思うので、これからはグリッドを名乗ってほしいと思う。
なお、グリッドに該当しないのは以下の条件を満たすシステムのこと。

  • コンピュータ、ストレージおよびネットワークといった資源の物理的位置やハードウェアを意識する必要があるシステム、もしくは必要な資源を必要なときに必要なだけ利用可能というわけではないシステムであり
  • 同機種で同じ拠点にのみ存在しているサーバのみからなっているホモジーニアスな構成である、もしくは複数拠点にまたがっていたりヘテロな構成であれば仮想化技術を用いていないシステム

こんなのに該当するシステムってのは「プライベートなPCクラスタ」位だと思うけど。