決定的モデルと、確率的モデル

これはひどい

コンピュータシミュレーション

コンピュータシミュレーション

積読に設定しておいた本だが、軽いのでとりあえずぱらぱらとめくってみた。
この本の趣旨としては、様々なシミュレーションの概要を示すつもりのようだが、その内容たるや散々なものだと感じた。というか、読んだ感じでは確率的モデルのほうが決定的モデルよりも容易であり、良い結果が出るとまでミスリーディングされかねない。
例えば、まず決定的モデルとしてあげられているのが力学シミュレーションなのだが、運動方程式がごちゃごちゃかかれてはいるものの、結局肝心のシミュレーション技法については何も書かれていない。一部の厳密解があるだけである。そして、最後に解析的に解くのが大変と書かれて締めくくられている。
それに対して、確率的モデルに対しては信仰があるのか無いのか分からないが、円周率の近似値の計算が、モンテカルロと単位格子に区切る方法での比較によって行われているが、モンテカルロの方がいいという結論を得ている。いや、それ偶然だから。どれくらいの精度を持っているかをちゃんと出さずにやっちゃだめだから。
その他、式変形など細かいところを見ていくと、適当に処理しているのが分かる。とりあえず結果がいえればそれでいいのか、と言う感じ。お勧めはしない。だが、この本がS田研にもあると言う現実。