ヒューリスティクス 最短経路問題

イグノーベル賞おめ。
http://blog.livedoor.jp/booq/archives/483008.html
で、これがどれだけ価値がありうるのか、というのをちょっと考えてみる。迷路の最短経路問題を解くだけならばダイクストラで一発だし、ダイクストラなら訓練されていれば5分で書けるわけで、そんなに大したことはなさそうだ。
まず第一にやるべきことは、この粘菌の内部で何が起きているかの解明である。粘菌はグローバルな情報を持っているわけがないので(神経回路とかがあるわけじゃないので)、内部的にダイクストラをやっている可能性は0に近い。ローカルな情報だけで最短経路問題を解いていることになる。現在のところ、同じ結果を出せるような計算機シミュレーションをやろうとしている人はいるわけだけど、まだ根拠とかを含めると微妙らしい。
そうなると、これって意味があるのか。少なくともカーナビに応用なんて無茶なことができるのか、というのが問題になるわけだけど、その可能性は非常に大きいと思っている。というのは、上述したように粘菌はローカルな情報だけで行動をしているのだから、内部的には自明並列性があるといっても過言ではない。ダイクストラを並列化するのはすごく困難であることを考えると、たとえば初期状態では粘菌アルゴリズムを用いてノード数やエッジ数を減らしてやった上で、ダイクストラをはじめとするアルゴリズムを適用してやれば、少なくともおかしな解(たとえば無駄な遠まわりをするとか)を排除したような解を列挙するのが容易になる可能性もある。
ただ、それでも現在の段階で役に立つかはちょっと微妙かなあとも思っていたりはするけれど、うまくやればTSPみたいな問題が解けたり・・・・しないかなぁ、さすがにw