ページ数はContentsなのかViewなのか

サーバにTeX環境をインストールしていて思ったこと。そもそもTeXを使うメリットの一つは文書の内容(Contents)と表示(View)を切り分けることであったのではないかと思う。Knuth自身は単純に好き勝手に文字を配置したかっただけかも知れないが。
内容と表示を切り分ける他の例には、例えばHTMLとCSSがある。90年代ごろまでのWeb pageでは、本来はレイアウト用途ではないにもかかわらずtableを使ってレイアウトをするようなものがよく見られた。こういった払拭する目的で、表示の制御にはCSSを使い、内容のみをHTMLに書こうと言うのがW3Cの勧告だったようだ。
こういうのにおけるViewというのは、例えば文字間隔であったり、font sizeであったり、marginであったり、行間であったり、といったものが含まれていて、そういった情報のみを切り離そうとしている。例えば文書中の特定の文字を大きくする際には、直接font sizeを指定することはせずに、「強調する」というタグをContents側につけておいて、「『強調する』タグがついている文字を大きくする」という指定をView側で行う。そうすることで、例えば「『強調する』タグがついている文字を大きくするのを止めて色を変更する」ような場合には、Viewのみを変更すればよくなる。
で、まあそれはさておき。論文をsubmitするときには、大体においてページサイズ指定とページ数指定と言うのがある(論文だと、通常はA4だったりするけれど、A4でWeb提出したものをなぜかB5に縮小して印刷するような学会もあったりする。最初からB5で提出させればと思うのだけれど、通常のワープロソフトの設定はA4になっているからだったりするのだろうか。ページ数は2-20程度まで様々だと思う)。このページ数指定というのは、Viewだと断言してもよいのだろうか。Contentsじゃない?本当に?完全にViewだと言うからには、Contentsをいじることなくページ数を変更できないとまずいのでは?そんなことをきちんとやってくれる、ちゃんとしたソフトウェアがあるなら大歓迎なのだけれど。

そう考えると、ContentsとViewの分離なんて不可能に思えてくる。というか、現状だと本質的には不可能なのだろう。本当の意味でContentsとViewを分離させるのであれば、現状のContentsにもっと情報を付加しなくてはならない。例えば、「ページ数が多すぎるのなら、この文は削っていい」とか「この段落の位置はちょっと変更してもいいよ」とか。そんなものをいちいち書いてる暇はないので、最終目標的には、内容とページ数を指定したら、勝手に解釈してそのページ数の文章を作ってくれる人工知能的なものを想像すればいいのだろうか。